私にとって日本舞踊とは
自己紹介をするときに、「6歳から日本舞踊をしています」と伝えると、そのあと話題が途切れることがありません。
初めて出会う方にとっても、日本舞踊は、普段、縁がないけれど、興味深く、とても素晴らしいものだと思っていただけているといつも感じます。
普通のサラリーマンの家庭に育った私が日本舞踊を習い始めたきっかけは、たまたま近くで日本舞踊のお稽古場があり、その看板を母親が見て勧めてくれたからという偶然の賜物でした。
ですが、人生の中で唯一、これほど長く続けてこられたことで、自分の自信につながり、日々の張り合いや生きがいにさえなっていると感じます。
会社勤めもし、結婚して子育ても経験するなど、人生において幾度も踊りを辞めてもおかしくない状況になったこともありました。
そんな状況においても、家族のサポートを受け、良き師匠、良き弟子に恵まれ、また何よりも、踊りが好きだったのでここまで続けてこられました。
この素晴らしい日本舞踊の世界を多くの人に伝えていくことが、少し大げさにいえば、これからの私の使命だと考えています。
まずは楽しく、向上のためには時に厳しく、ともに歩んでいける方たちと出会いたいと願っています。
日本舞踊の経歴
出会い | 6歳より踊りをはじめる |
名取 | 昭和48年(1973年)11月(14歳)名取となる |
師範 | 昭和54年(1979年)5月(20歳)師範資格を得る |
師事 | 平成2年(1990年)より若柳雅亀路師に師事、現在に至る |
指導者 | 平成9年(1997年)より指導者となる |
私が半世紀も日本舞踊を続けている理由
音に合わせて体を動かすのが元々好きでした
スペインに生まれたらフラメンコ、ハワイに生まれたらフラダンス、徳島なら阿波踊り、沖縄なら琉球舞踊・・・
きっとその地に合った何かを踊っていたと思うのです。
スポーツは見ているほうが好きなのに、踊りは自らやりたいと思ってしまいます。
それでも、他のものに手を出さず、ひたすら日本舞踊だけを続けてきたのは、半世紀続けても飽きない魅力があったから。
変身願望、かなえてくれます
日本舞踊は、老若男女を問わず色々な役ができます。
特に女性では、花魁、芸者、お姫様、舞妓、禿、してみたい格好はすべて舞台の上でやりました。
また、他の舞踊だったら無理な気もしますが、ちびの私でも颯爽とした男役もできます。
毎回自分がどんな人物を演じるのか、考えただけでワクワクします。
どんなに踊り込んでも理想に近づかない
逆説的ですが、理想を追い求めてもどうしても追いつかないところが魅力です。
人より少しはうまく踊れる、人から褒められるというのはそれなりに優越感も感じるのですが、自分の踊りを録画した映像で見ると心底がっかりします。
「なんて稚拙な動きなのだろう」、「この部分の感情表現が足りない!」
反省しか出てこないところが次の活力になります。
体力と技術のせめぎあい
若いうちは、体力はあったけれど表現力が追い付かなかった。
今は、技術は身についてきたけれど確実に体力が落ちてきている。
そんな自分とどこで折り合い、ぎりぎりのパフォーマンスを見せるか、
常に追求しています。
そんなせめぎあいも楽しいところです。